高速道路上の橋梁の防水、中性化抑制、アルカリ回復・改善
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福岡県の橋梁で、長期にわたる耐久性確保のため、ウルトラテクトHPとウルトラテクトWRが利用されています。
橋梁保全の課題とウルトラテクトHP、ウルトラテクトWRの採用の背景
福岡県の橋梁では、長期にわたる耐久性確保のため、表面改質と防水処理の最適な組み合わせが求められていました。
施工前の橋梁の劣化状況
- 中性化の進行
コンクリートのpH低下が確認され、中性化の抑制が急務。 - アルカリ骨材反応の発生
亀裂が生じ、内部に水が侵入することで、さらなる劣化のリスクあり。 - 水の浸入が深刻な課題
既存の親水性改質剤では防ぎきれないため、浸透性撥水剤の使用が適切と判断。
施工前の暴露試験では、5社の類似製品と比較された結果、ウルトラテクトHPとウルトラテクトWRが高い評価を受け採用されました。
ウルトラテクトHP、ウルトラテクトWRの施工によりコンクリート内部への水分侵入を遮断し、中性化やアルカリ骨材反応の進行を抑制することを可能とします。
ウルトラテクトWRとウルトラテクトHPを組み合わせた理由
当初、親水性の改質剤が設計に組み込まれていましたが、この工法では施工前後に低圧散水を行う必要があり、作業工程の負担が大きい点が課題となっていました。そこで施工性が高く、防水性と耐久性を兼ね備えたウルトラテクトWRとウルトラテクトHPの組み合わせが最適であると判断されました。
橋梁の耐久性を高めるために、ウルトラテクトHPとウルトラテクトWRは、それぞれ異なる特性を活かして施工されました。
ウルトラテクトWRの特長と採用理由
- 高い防水性と通気性を両立
コンクリートの内部に湿気を閉じ込めることなく、劣化を防ぐ。 - エフロレッセンス(白華)やひび割れの抑制
含浸性の高い撥水剤として、コンクリート表面に水を寄せ付けず、白華や漏水を防止。 - 施工の効率化
ローラーや噴霧器を使用した簡単な塗布方法で、作業効率を向上。
ウルトラテクトHPの特長と採用理由
- 膜を形成せずにコンクリートを保護
通気性を維持しながら防水性能を発揮。 - 塩害・中性化・凍害の抑制
コンクリート内部への水分侵入を防ぎ、耐久性を大幅に向上。 - 施工前後の余計な散水工程が不要
親水性改質剤と異なり、余計な施工手順を省略できる。
このような特性により、親水性の改質剤では対応が難しかった条件をクリアし、橋梁の長寿命化を実現する最適な製品として採用されました。
橋梁に行われた施工方法
下地処理
- 0.2mm以上のクラックを補修
- 極度に汚れた部分は洗浄・ケレン処理
ウルトラテクトWRの塗布
- 標準塗布量:200cc/㎡
- 塗布方法:ローラー、噴霧器、刷毛を使用
追加処理
中性化が著しい箇所には「ウルトラテクトHP」を100cc/㎡ 先行塗布し、翌日にウルトラテクトWR 200cc/㎡ を施工。

床板下部に対し、ローラーを用いて塗布。
ウルトラテクトWRは下部や壁面でも液垂れすることなくコンクリート躯体に速やかに浸透するため、限られた作業環境においても施工を行うことが可能です。
また、材料ロスが少ないという利点もあります。

ローラーが入らないより狭い場所へは刷毛を用いて塗布。
本施工事例を通じて、ウルトラテクトHPとウルトラテクトWRの組み合わせが、橋梁やコンクリート構造物の長寿命化、維持管理コストの削減とインフラの耐久性向上に大きく貢献することができました。
data
| 施工場所 | 福岡県 | 塗布目的 | 遮水、防水、中性化抑制、アルカリ回復・改善 |
| 塗布剤 | ウルトラテクトWR、ウルトラテクトHP |

